【大物体験談 その4】


 題名:地球との格闘
 作者:マスターさん



 船から行う黒鯛の落し込み釣りは『油断大敵!』
 まさにこの一言に尽きます。

 船長に、『この前ココで大物のバラしがあったよ』といわれたものの、「同じ場所にいるわけがないじゃん」と思いつつ、餌を投入。

★船長追記
 この場所は【体験談10 エピソードT】で古川さんが『ヤツ』と格闘し、ハリハズレでハラシた場所です。




 すると1投目でアタリが出た。
 あわせるとズシッと竿にのった。

 ヨッシャ〜!、と思うと同時に凄い突っ込み!
 リールをしっかりと押さえていたので、『ピシッ!』と妙な音が竿から鳴った。

 これ以上ためると愛用の安い竹竿が
折れるかも知れない。 ≪自作の竹竿、恐れ多くて和竿とはいえません≫
 気持ちとしては障害物に逃げ込まれると困るので、2号のハリスの限界がくるまで出したくない。

 ヤバイ、これ以上耐えるのは無理!  限界のようだ!

 仕方なくラインを出す。
 しかし止まらない。 止められない。

 また、ラインの角度を見ていると危険な障害物の方向に魚が向かっている。
 ヤバイ!
 確か、「おい、そっちへは行くな!」なんて叫んでいた記憶があります。



 黒鯛のパワーは想像を遥かに越える強い引きのため、魚の突進を止める事が出来ない。
 頭の中で不安が駆け巡る。

 『今まで体験した事のない猛烈な魚の走り』 
≪これは大物だぞ!≫
 『愛用の竿が悲鳴をあげている』 ≪
今まで福の神で何匹も黒鯛を掛けてきたがこんな事ははじめて!≫

 『このラインの角度』 ≪
障害物に近づいている そっちへ行くな!≫
 『2号ハリス限界を考えながらのブレーキング』 
≪頼む、耐えてくれ≫

 『どう考えても、回避する術が思いつかない』
 『絶体絶命のピンチ!』


 
「シマッタ、障害物に回り込まれた!」
 手元に、ラインが障害物にこすれる感触が伝わる。

 「あー、もう無理はできないぞ〜」

 ここから、魚にできるだけ負荷をかけない
優しいやり取りに変更する。

 「あとは運にかけるのみ」と思った瞬間、魚の動きが止まった。


              
 


 静かにリールを巻き始めると、再度強烈な引き込み、直ちに糸を送る。
 また止まった、静かにリールを巻き始める。

 できるだけ魚を脅かさないように優しく・優しく巻く。
 もちろん、ラインがすれている感触が伝わっているので絶対無理は出来ない。

 また魚の動きが止まった。  が、今度は動かない。

 『ん、何で動かないの?』と思いつつも無理はできない。
 竿にテンションを軽くかけたまましばし待つ。


 1分ぐらい待ったが微動だにしない。
 どうやら、障害物の付け根付近に張り付いてしまったようだ。

 船長:「再び動くかもしれないので、このまま少し待とう」との事。
 私:「はい」と答え、魚との我慢比べがはじまった。


 この時に考える事は不安な事ばかり。

 『この魚だけは何とか取りたい』

 『いや、バレてもいいから何とか姿だけでも拝みたい』

 『お願いだから、障害物から離れてくれ』

 『日本記録だったらどうしよう』

 いろいろな思いが頭の中をよぎるが、魚は動く気配がない。



 船長:『どう?』と一言。
 私:『まだついてます。 がんばります』と返答。

 しばし沈黙が続く・・・

 それから5〜7分たった時、痺れを切らした船長がいつもの調子で、『ちょっと貸して』と自ら竿をつかむ。

 竿にグ〜っと魚のテンションを掛け、大きくあおる(強めに引っ張る)。
 その瞬間、糸を緩め魚が動くか確認しているようだ。

 この行動を3,4回繰り返していた。
 やはり、ピクリとも動かない。



 と、ここで船長が一言、『もう、ばれてるよ』
 「エッ、エツ? ホントですか?」と動揺を隠せない私。

 船長が「ラインを引っ張っちゃうよ!」と言う問い掛けに対し、「大物の予感がするので、もう少しし待ちたい」と言いたかったが、つい「ハイ」と答えてしまった。

 船長がラインを引っ張ると、「プチン!」とラインが切れたようだ。
 ショック!

 しかし回収した仕掛けには針がついている。
 あれ?

 チェックすると針先が曲がっていたので、最後の引き込みでハリが外れ、その時に障害物に引っかかってしまったようだ。


 「あ〜あっ、残念!」と船長。
 何事もなかったかのように私に竿を返し操船に戻るのであった。

 その背中に「ヘボちゃん」と見えたのは気のせいなのだろうか?




 あの時の事を振り返ると、後味が悪い終わり方だった事を悔やむ。
 それば、全く動かなくなってから格闘していたのが
超大物の地球だったから。

 この世の中で最も大きい「獲物?」と10分近く格闘していた事が悔しい。
 やり取りの最中のブッチンやハリハズレでサヨナラするのであれば、悔しいけど諦めかつくのに。


 後日、友人にこの話をすると、『本当に黒鯛かな』とか、『カンダイじゃないの』とか、『メーター級のシーバスなんじゃない』などと言われた。

 確かに、姿を見たわけではないので、それらの意見を否定することはできない。
 が、あの引きは間違いなく黒ちゃんだと私は信じている。

 それも、相当な大物。
 今までに釣った、55センチや56センチとは比べ物にならないほど強い引きなのだ。


 今年もシーズンが近づいてきた。
 もしあれが黒鯛なら、またあの場所へ戻ってくるはずだ。

 今年の目標は、もう一度あの魚を掛けること。
 その姿を見ること。
 あわよくば、釣り上げること。

 でも、今の仕掛けではよほど運が見方しないと難しそうだ。
 この時は何もできずに「惨敗」を喫したが、互角の勝負に持ち込むために、何か良い秘策はないか?
 まだまだ悩む日は続く・・・・・。





◆船長コメント

 マスターさん、作文ありがとうございます。
 切られた後の文章にある、
 「その背中に『ヘボちゃん』と見えたのは気のせいなのだろうか?」と言う文章があり、この部分を読む度にニヤケてしまいます。
 アハハ・・・

 実際、魚の姿を自分の目で確認しないと「100%黒鯛と断定」できなのは確かですが、長年この釣りをしていると、狙っている障害物の形状に対し、その魚がどの方向に逃げるかを確認する事で、黒鯛かシーバスかの判断ができるようになります。

 また、この大物を狙っている東京港周辺のポイントではカンダイを釣ったとの話は聞いていませんし、私も釣った事がありませんので黒鯛としか思えない走り方でした。
≪但し、横浜方面では釣れるそうです≫

 ちなみに、根や障害物に回られた時は、ラインテンションを緩め、しばらく待つと出てくる事が多いです。
 この内容についての文章は、【超強引なヤリトリのコツと重要性】 に記載してあります。


 昔磯で狙っていたメジナに比べると黒鯛はオリコウさんで、1〜3分程度、ラインを緩め緊張感を緩和してやるとノソノソと動く事が多いです。

 動かす秘訣は、ラインを2,3秒強く引っ張り、その瞬間に緩めるのがミソです。
 これを何回か繰り返すとズズズ・・・と再びラインを引っ張り、その場から泳ぎだす行動を取ります。

 動き出してからは決して無理をせず優しくラインを巻き、魚が走ったらラインをサ〜っとだすと、魚はそれほど暴れず障害物の側でノソノソしています。

 この行動を時間をかけて繰り返すと、上手くキャッチできることが多々ありますので、最後の最後まで諦めないほうが良いです。


 私の記憶では、この魚は初回2,3分休ませた段階で「静止状態を動かせる為の秘訣」を実践し、更に5〜7分休ませてから同じ秘訣を実践したと思います。

 ここまで待って全く動かない時は、今までの経験で、既に「ラインブレイク」している事が殆どですので諦めました。

 ラインブレイクした後に動かなくなる要因は、ハリスとラインの結び目周辺が障害物やカキガラの隙間に深く入り込み、手前に引っ張ってもビクトモシナイ状態のなるのだと思っています。


 このポイントに潜む大物をキャッチするのが難しいのは確かです。
 大物の突進力は物凄く、実際に体験しないとそのイメージは理解できないと思います。
 
 この時、無理に止めようとするとラインブレイクしますので、今回のマスターのヤリトリのように、ラインを最小限に出し、障害物にスレた段階で優しいヤリトリに切り替え、「出ておいで釣法」を多用しながら障害物から引き離すしかありません。

 この時、障害物から上手く引き離せるかは運が左右します。
 また、風や潮の流れる向きの関係で、ヤリトリしやすい最高のポジションに船が移動できるかも運が左右します。

 現状では、取れるか取れないかの結果は「神のみぞ知る」との事ですね! (^o^)

 まあ、最近では細いワイヤーハリスが発売されており、手に取って見ると海中で目立たないような気がします。
 何度かテストを繰り返し評価を行い、最終的にはワイヤーハリス&新素材ラインの組み合わせで「あの方」を狙う事になるかもしれませんね!






◆画像提供:パチンコのSANKYO
 FEVER 暴走王.小川直也

 

 パチンコやるなら「SANKYO」の台に座りましょう♪
 この機種、フィーバー中の演出と音楽が好きだったんだよね!(^o^)

 という事で、宣伝しましたので、画像を勝手に使用しました事ご勘弁を!